Art Review:神戸「モネ&フレンズ・アライブ」体験
Art Review
動く絵画、響く光
2025年3月15日、神戸の旧居留地・The PAVILIONで開催されていた「モネ&フレンズ・アライブ」を訪れた。
クラシック音楽とともに広がる映像体験は、印刷された絵ではなく、空間全体に投影された“動く印象派”だった。
床も壁も天井も、すべてがキャンバス。観客はそのなかに立ち、歩き、座り、飲み込まれていく。
モネ、ルノワール、ドガなど、次々に現れては消えていく作品たちは、もはや鑑賞ではなく体験だった。
視界の端で色彩が揺れ、足元に光が流れ、自分の影もその一部になる。
まるで“絵画の中に入り込む”というより、“絵画とともに流れていく”感覚。
とくに印象的だったのは、モネの「睡蓮」のシーン。ピアノの旋律にあわせて揺れる水面。時間が止まっているようだった。
この展示が特別なのは、視覚や聴覚だけではなく、香りなどの演出によって五感を刺激してくるところ。
光と音に包まれながら、ふと漂う花の香りが、体験を一層深くする。アートを“身体で感じる”という表現が、誇張なく成立している。

アートがこんなにも身体的に、感覚的になるとは思っていなかった。
デジタルとクラシック、映像と絵画、個と空間。その境界線がすべて溶け合っていた。
新しいアートの楽しみ方。

