Logo:京都・「らーめん屋には夢がある」ロゴ制作
「株式会社ラーメン屋には夢がある」のロゴを制作させていただきました。
この会社は、京都を中心に展開するラーメン「キラメキノトリ」を立ち上げ、
実際に夢をかなえた社長が、新事業として立ち上げた会社です。
ラーメン屋という仕事を通して、人生を変えてきた。
その経験があるからこそ、「ラーメン屋には夢がある」という言葉には強力な説得力があります。
その言葉そのものをロゴとして成立させる。
今回のデザインは、そこから始まりました。
ロゴとしては難しい社名
最初にこの会社名を聞いたとき思ったのは、
ロゴにするにはかなり難しい。
ということです。
「らーめん屋には夢がある」
言葉としてはとても魅力的ながら、ロゴとしてはメッセージ性も強く文字量が多い。
表現がストレートなので、よくあるタイプの形状だと想いが伝わらない。
文字を整然と並べれば、ただの文章になってしまう。
デザインしすぎると、言葉の説得力が消えてしまう。
「どうすればロゴとして成立させられるのか。」
コンセプトの設計には、想像以上の時間を費やし苦労しました。
そんな中、ふと一つの情景を想い浮かべました。
思いの丈を書いたようなロゴ
このロゴを考えるとき、一つのシチュエーションを思い浮かべました。
30代頃から独立を目指す一人の男性。
仕事終わりの深夜、小さな畳の部屋。
未来の自分を想像しながら、思いの丈を落書きのように書きなぐっている。そんな姿です。
まだ誰にも知られていない夢。
けれど本人の中では確かに燃えている希望と不安。
その粗いエネルギーをそのままロゴに込めることはできないか。
そう考えながら制作を進めました。
完成形というよりは、「30代の一人の人間が夢を書き殴った」ようなロゴ。
それが今回のコンセプトです。
1,000回以上書き直したロゴデザイン
このロゴは完全な手書きで制作しています。
しかし、ただ雑な文字ではありません。
ロゴとして成立するためには、
・可読性
・耐久性
・サイズ展開
・媒体適応
など、さまざまな条件を満たす必要があります。
SNSのアイコン、看板、広告物、Tシャツなどの販促物。
どんなサイズでも使える必要があります。
そのため、一見すると無造作に見えるこの文字も、実際には細部を調整しています。
文字のバランス、太さ、線の流れ、余白。
何度も書き直し、何度も見直しました。
おそらく、1,000回以上は書き直したと思います。
一本の線を何度も描き、消してはまた描く。
その繰り返しでした。まるで夢を追って奔走するように。
二度と作れないロゴ
このロゴにはある意味少し不思議な特徴があります。
それは、
自分ですら二度と同じものは作れない。
ということ。
既成フォントにはない、偶然手の動きで生まれた線。
完全に一点ものなのです。
もちろんロゴとして運用するためのレギュレーションは作成しています。
・最小使用サイズ
・カラー指定
・余白ルール
・使用例
そうしたガイドラインを整備することで、実際のビジネスの中でも問題なく使えるようにしました。
しかし根本にあるのは、一人の人間の手の動きから生まれた線です。
それはとてもアナログなアプローチです。
AIに再現できないロゴの価値
AIは本当にすごいです。
多くのことを超高速に高いクオリティで行います。
しかし、このロゴはAIでもできないと思っています。
なぜかというと本人が再現できないからです。
定量的に図れない「夢を追うエネルギー」を自分の手に詰め込んで作成しています。
きれいな線ではない。完璧なバランスでもない。
歪んでいて、少し荒々しい。
似た形のアウトプットができても、概念的な意味が異なります。
これはある意味でロゴの本質に触れていると思っています。
再現性や完成度を追わない唯一無二のロゴ、単なるマークではありません。
その会社に関わる人が何を信じ、何を目指し、どんな未来を見ているのか。
それを一瞬で伝えることに特化したロゴです。
「ラーメン屋には夢がある」
この言葉自体がすでに強いメッセージです。
そのメッセージを最もストレートに表現する方法が、今回の手書きロゴでした。
ロゴとは「思想」を形にするもの
今回ロゴを制作させていただいた社長は、ラーメンで実際に夢を実現した方です。
そして今、新しい挑戦を始めています。
「ラーメン屋には夢がある」
それは単なる会社名ではなく、一つの思想でもあります。
ラーメン屋という仕事には、人生を変える力がある。
その言葉をロゴとして形にすることができたのは、とても光栄な経験でした。
このロゴがこれから多くの場所で使われ、新しい夢の一部になっていくことを願っています。

